2009年10月の知らなきゃ損する債務整理関連ニュース

2009/10/27貸付金の「総量規制」 利用者の6割が知らない

年収の3分の1を超える貸し付けを禁止する、改正貸金業法の「総量規制」について、クレジットカード会社や貸金業者などの利用者の約6割が知らないことが、日本貸金業協会のアンケート調査でわかった。

借り入れがある1000人のうち、総量規制を理解しているのは42.8%と、前回(08年11月)調査時よりも27.8ポイント上昇したものの、なお半数に達しなかった。

また、消費者金融に借入残高がある4064人のうち、実際に年収の3分の1以上の借り入れがある利用者は50.2%いるが、こうした利用者は2010年6月の総量規制の導入以降、追加の借り入れができなくなる恐れがある。

アンケートは09年8月から9月にかけて、10万6000人を対象に実施した。

2009/10/27貸金業者の3割、「事業継続困難」 改正法施行後の見通し

全国の貸金業者の約3割が、2010年6月の改正貸金業法の完全施行後の事業継続が困難と考えていることが日本貸金業協会の調べでわかった。そのうちの約1割が廃業を予定している。事業を継続したとしても、新規融資は行わないことを考えている業者もある。

貸金業者の登録数は08年3月末の9115者から09年6月末までに5478者まで減少している。

事業継続が困難な貸金業者は、「上限金利の引き下げによる収益悪化」(58%)や「総量規制の導入による収益悪化」(47%)などを理由にしている。過払い利息の返還請求が続いていることも貸金業者の体力を奪っている。

2009/10/19アイフル再建の先行き左右する あおぞら銀行のCDSヘッジ

業績不振が続く消費者金融大手アイフルは、私的整理の一種「事業再生ADR(裁判外紛争解決手続)」と呼ばれる手法での再建手続きに入った。2009年10月8日には第1回債権者会議を開き、従業員をほぼ半減するなどの再建計画を説明したが、再建に不可欠な金融機関の協力姿勢には濃淡がある。金融機関の足並みが乱れれば、再建に大きな影を落としそうだ。

アイフルは債権者会議で、有人店舗を3分の1に減らした上で、従業員をほぼ半減するなどのリストラ案を提示。債務約2800億円のうち、3分の1近くを借り換えすることで、当面の返済を猶予するよう金融機関に要請した模様だ。アイフルは、債権者の理解を得られれば、年末までに再建計画をまとめる方針だ。

あおぞら銀は融資の大部分をCDSヘッジとの見方

しかし、アイフル向けの債権を持つ金融機関は70社近くあり、協調して対応できるかは不透明だ。金融機関の間では、消費者金融のビジネスモデルを疑問視する声が強まっており、「アイフルの再建案では、過払い利息の返還負担の見通しが甘く、業績の下ぶれリスクは大きい」(大手行幹部)との指摘が既に出ている。

特に、一部金融機関が、アイフルが経営破たんしても損失が出ないように、「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」という金融派生商品を購入済みであることが、問題を複雑にしている。CDSは破たんに備えた一種の保険で、買い手は売り手に一定額の「保険料」を支払うかわりに、対象企業が倒産などすればCDSは精算され、買い手は「保険金」を受け取る仕組みだ。つまり、ADRで時間を掛けて債権を支援するのか、破綻させてCDSの「保険金」を受け取るか、どちらがその金融機関にとって有利かという問題になるのだ。

債権者のうち、あおぞら銀行は、アイフルと関連会社ライフ向けの融資残高が計553億円(8月末時点)にのぼるが、大部分をCDSでヘッジしている模様だ。同行内部には「そもそも消費者金融の市場が縮小する中、リストラだけで生き残れるのか。ADRは実績が少なく、銀行団の意見をまとめられるかも疑問だ」と先行き不安視する声が強まっている。

ADRの手続きが難航すると事態は変化?

あおぞら銀は10月2日、アイフルが事業再生ADRを申請したことが、アイフル対象のCDSの清算基準に該当しないか、国際スワップ・デリバティブズ協会(ISDA)に照会。ISDAは今のところ、清算基準には該当しないと考えているようだが、債権者の足並みがそろわずADRの手続きが難航するようであれば、事態は異なってくる。

あおぞら銀は「(ISDAへの申請と)事業再生ADRへの同意・不同意とはまったく関係ない」としているが、CDSを精算させて「保険金」を受け取る方が、長期間かけてアイフルを再建させるよりプラスとの見方もある。住友信託銀行など主力行は、アイフルを支える姿勢を崩していないが、債権者の一部には「あおぞら銀は、アイフルの法的整理に軸足を置き始めたのではないか」とする疑心暗鬼もくすぶり、年末に向けた再建手続きは波乱含みとなりそうだ。

2009/10/ 9プロミス「新社長」に三井住友出身者 創業家退く

消費者金融大手プロミスの新社長に、筆頭株主の三井住友銀行から迎えた同社副社長の久保健氏が就任する。1999年から社長を務めてきた創業家一族の神内博喜氏は代表権のない会長に退く。就任は2009年11月1日付。

改正貸金業法や利息の過払い金訴訟問題など、消費者金融の経営は厳しい状況が続いている。経営再建に向けて、銀行との連携を強化する狙いがある。

久保氏は55歳。三井住友銀行で個人マーケティング部長、個人業務部長を歴任するなど主に個人部門を中心に担当し、2007年にプロミスの副社長に就任した。


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