債務整理コラム

借金問題について学びたいときには、情報の発信元に気をつける 1

借金が嵩んで返済に苦慮してくると、どんな人でも必ず不安に駆られます。この借金を終わらせる手立てはないものか。多少法律的にグレーでも、多少モラルを逸脱してしまっても、それでも背に腹は代えられない。お金がなくなると人は大抵そう思うものです。

その結果、借金についてネット内をサーフィンし、アルバイト求人を横目にうまい話はないものかと大衆週刊誌を読み漁ります。ときには「ナニワ金融道」やら「闇金ウシジマくん」といった漫画を読んで、何とか踏み倒せる方法はないかと思うようになるはずです。 お金というのは切実なものです。借金のない日常を送っているときにはあまり気づきませんが、借金を持った途端、お金とは実は食事であり、衣服であり、住まいであり、知り合いとの絆だったりすることに行き当たります。そうなると、借金から逃れつつも生きてゆくために人は必死になります。死にものぐるいになります。

自分のことは別として、他人が生き延びるために必死になっている姿は、興味を誘います。ましてやそれをお涙ちょうだいのドラマにしたり、やくざが追ってきたりするようなケバケバしいものにすれば、世間の人は飛びつくでしょう。

借金のドラマやまんが・映画はおもしろいですが品がない。それは生き延びるのに必死な姿を脚色したからなのです。

借金を持たない人がそういうまんがや映画をみておもしろがるのは問題ありません。正直、人として褒められた品性ではないとは思いますが、娯楽作品の一種としては確かに成り立っているからです。

しかし、お金がなくて困っている人がそういう作品を見て「ああ、こういうやり方があるんだ」などと借金の踏み倒し方を学んだりするのはまったくもっていただけません。確かにそういうものはケバケバしく、目立って、おもしろいものです。

たとえばわかりやすい例では、ヤミ金業者への「借りパク」が挙げられます。金銭的に困窮した人が「ヤミ金は悪い者だから、犯罪者だから」という理由で、ヤミ金業者から借りるだけ借りて踏み倒そうとする人は後を絶ちません。こういう人は、あるときふと思いつくというよりは踏み倒すことが前提になっている上で、踏み倒せる相手として思いつくのがセオリーのようです。そしてそのやり方を学ぶのは大抵がインターネットやまんが、大衆週刊誌などになるのです。

では、踏み倒しを思いついた後、債務者の思惑通りに借りパクがうまくいくかというと、まず100%それは失敗します。なぜかというと、ヤミ金業者は踏み倒しを防ぐことが大前提にある職業(?)だからです。ヤミ金から借入をする人のほぼすべてが、既にサラ金をはじめ、ありとあらゆる関係各所から借金を重ねています。また踏み倒しも幾度となく行っていることでしょう。

そういう相手に融資をしたところで、法律にのっとってのんびりと返済を待っていれば、まず踏み倒されるのは必定です。となれば、ヤミ金は最初のうちに脅されれば困る連絡先を徹底的に抑えた上で、さらに暴力や脅迫といった違法行為とともに取立を行います。

ちんぴらが好むような雑誌などではよく「気合一発」でヤミ金を撃退、ついでに踏み倒しも成功させたというような武勇伝が載っていますが、一つ残らずうそっぱちです。この手の話は大抵がヤミ金以上にゴネただの、法律を盾にしただの、掛け合ったらヤミ金が折れただのというようなものばかり。ヤミ金業者はそもそも脅しだけで取立をしてくるわけではありません。それはあくまでも無数に存在する追い込み手段の一つに過ぎないのです。 どれだけ気合を入れてヤミ金との対決に臨んでも、そもそもヤミ金は姿を現さず、かわりに債務者の勤め先や肉親の家に凄まじい嫌がらせを始める可能性の方が圧倒的に高いのです。それにも関わらず、誰が書いたかもわからない、信ぴょう性ゼロの創作を信じこんで「これなら俺でも踏み倒せるかも」と思うから、ヤミ金問題は大事になりやすいのです。 上記はわかりやすい例ですが、正規の消費者金融で借金が嵩んでいる方にも同じことがあてはまります。

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