債務整理コラム

借金生活の改善に合わせて、心と身体を浄化する 3

射幸心というのは「なんだかラッキー」「なんだか楽しい」思いであることはお伝えしました。そしてそういうものに関わると、どんどんお金が吸い取られていってしまうことも同時に前回のコラムでお話しています。

では、どうすればこれら射幸心を煽るものを遠ざけてお金を貯めてゆくことができるのでしょうか。

「ウルフ・オブ・ウォールストリート」に見る射幸心の世界

2013年「ウルフ・オブ・ウォールストリート」という映画が公開されました。ウォールストリートで証券会社を開いて大成功を収めた主人公、ディカプリオ演じるジョーダン・ベルフォードという実在の人物の物語です。

観ていない方にかいつまんで内容をお話しますと、主人公のベルフォードは、ジャンク債と呼ばれる著しく価値の低い社債を、小口の顧客に口先三寸で売りつけ、巨万の富を築きます。フェラーリ、プール付きの大豪邸、最高級のスーツと毎日のパーティ。ハリウッドスターのセレブ生活を地でゆく日々。しかしその証券売買の手口があまりにも詐欺的であるため、FBIの捜査官に目をつけられてしまい、ベルフォードはその追跡を逃れつつ、さらに脱税を繰り返してゆくという内容です

内容はただひたすらにセックス・麻薬・詐欺の繰り返し。呆れるほどにワンパターンの繰り返しが逆に異様な気配を醸し出します。舞台も、証券会社の社内であるか、豪邸であるか、豪華クルーザーであるかくらいの差しかなく、しかも、どこであってもやることは同じ。表面上だけで評価すると、ここまで下品な映画も珍しいというくらいに卑猥で悪辣な内容です。

おもしろいかどうかと問われれば、まあまあといった印象の映画でしたが、作中はともかくも、このような金持ちは実際には存在しません。また映画の中ででも主人公は証券会社に見せかけた単なる詐欺師であり、かつ実在のベルフォードは現在、獄中にいます。

本当の大金持ちの人々について当コラムではこれまで何度かお話をしてきました。彼らに接してみるとわかりますが、富裕層の人たちはとにかく自律心が高い傾向があります。自分に厳しいのです。

借金をしている方の家計簿を見てみますと、酒代やたばこ代だけは過不足なく組み入れている人がたくさん見られます。それにも関わらず、身体が心配だからと健康サプリメントを買ってみたり、コンビニ弁当だけでは栄養が偏るとして、昼食のたびに野菜サラダを買い足してみたりしている人もいます。

お金持ちの中には酒もタバコもやらないという人はたくさんいます。酒を飲んでもたしなむ程度、タバコもごくまれに葉巻を楽しむ程度です。やめられずに酒びたり、タバコびたりという人はほとんどいません。

自分に厳しいとはつまり、欲望に強いということでもあります。そして欲望に強いとは言い換えるとタナボタという射幸心を拒絶する心のことでもあるのです。

世間一般にお金とは、人間の欲望をかたちにしたものであると思われている節があります。ある面から見るとそれは間違いではありません。欲望を満たしたいからお金を使う。また逆に欲望を満たしてあげるからお金をもらう。この循環によって社会が巡っている面は否めないのです。

そう考えると、お金持ちとは欲に強く、お金を使わないからお金が貯まる。お金を貯めたいのであれば、欲に負けないこと。このごくごく当たり前のようなシンプルな答えにお金を貯めるための秘訣があるのは間違いないのです。

もちろん、既に借金があって毎月返済に追われているのであっては、当然お金はなかなかたまりません。債務整理はなんだか怖いという思いも、また債務整理をすれば良いカードが持てなくなるのではという見栄も、やっぱりそれは欲望です。

他人になんと思われても構わないのです。まずは欲を捨ててお金を貯めることへと気持ちをシフトさせてみてはいかがでしょうか。

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