債務整理コラム

奨学金滞納と金利の問題

最近とみに奨学金の滞納が話題になっています。滞納が「問題」ではなく、「話題」であると述べたのは、これには是々非々の側面があるためです。

そもそも、奨学金は大きく分けて3つの種類に分かれます。

1.返済が不要なもの

 これは著しく成績が優秀な生徒や、財団もしくは中高一貫校などから推薦された生徒などが挙げられます。返済が不要な奨学金に与るのは一種の名誉の側面もあります。これらはきちんと学業を納めてきた生徒に与えられるお墨付きであり、また授与される側がこれからも勉学に励むことで、奨学金を与える財団などに知名度として貢献するというメリットも授与側には存在します。

2.利息が不要なもの

 第一種奨学金と呼ばれるものです。これも様々な公的機関や財団などが行っています。ある程度の成績を納め、かつきちんと授業に出席して成果を出すことと引き換えに生徒に無利息で融資を行います。ただし、たとえば大学生活で遊びほうけていたり、また成績が急激に悪化したりした場合には融資が止められる可能性もあります。

3.利息が付くもの

 第二奨学金と呼ばれるものです。この奨学金には約3%程度の年利が付きます。3%といえば、たいしたことのない金利と思われるかもしれませんが、年間3%の利息で、数百万円の奨学金を借り、かつこれを二十年近くにわたって返済する場合、実際には金利によって大変な金額に膨れるのです。

現在、奨学金に対する取立が厳しくなってきたことが社会問題化してきています。長引く日本経済の悪化や世界的な不況なども、その一因として挙げられています。もちろん「勉強するために借りたお金をタダで借りるのは当たり前。社会人になってから返済するのはおかしい」という生徒側の意識もないわけではありませんが、そもそも借金に対する甘え意識は文化的な背景や倫理観などの話題です。これに比べて定量化された3%という金利が、奨学金としては少々高いことは否めません。

サラ金であれ、銀行であれ、借金をする場合に金利がつくのは当然のことです。たとえば多重債務に陥る人はこの金利というものを甘く見ている傾向があります。

ある人が100万円の借金をしたとしましょう。100万円の借金に対して10%の金利がつけば110万円を返済しなければなりません。200万円借りれば新入社員が1ヶ月働いた分のお給料がまるまる利息になります。20万円と一口にいいますが、この額は普通の生活を送る上では十分な大金です。これに対して借金をするとき、債務者の意識はちゃんと金利に向いているといえるでしょうか。

しかも金利はこの10%に留まりません。金融業者からの借入は複利でつくのが基本です。100万円の利息に対して毎月5%の利息がかかるとしましょう。この計算で一年が間経つと債務は一体どうなるでしょうか。

100万円×1.05%の12ヶ月複利。この場合、利息がつくと年間で約180万円の借金になってしまうのです。100万円を借りただけで返済額が80万円もついてしまう。ましてや借金をする人はお金がないからこそ借金をするのです。この80万円を返済するのは至難の業です。

このように複利の効果というものはとても恐ろしいものなのです。では3%という奨学金の金利に話題を戻しましょう。この金利がなぜ高いのか、これも計算してみると一目瞭然です。ある生徒が大学への進学を志すため、奨学金の融資を毎月8万円ずつ、4年間で計48回、総計で300万円受けたとしましょう。

この300万円に対して年利で3%の利息がかかるとします。年間で9万円と考えるのであればたいしたことはないと思うかもしれません。しかし返済期間20年で毎月債務を返済していくと考えると債務は複利によって総額が約480万円、ざっくり500万円近くになってしまうのです。

人生山あり谷ありです。ましてや終身雇用が崩壊した上、零細企業ですら正社員になるのには大変な苦労が必要な現代、月々2万数千円ずつを20年間、500万円もの金額を返済していくのは生半可なことではないといえます。

もちろん中には「借りたけれど、勉強のためだから返す必要などない」と言い張る人もいないわけではないでしょうが、このような甘え意識を除けば、頑張って途中まで返済し続けてきたにも関わらず、やむにやまれぬ事情からどうしても奨学金の返済ができなくなってしまったという債務者も数多く存在するのです。

繰り返しますが、人生には良いときもあれば悪いときもあります。どうしても借金が返済できなくなり、債務整理を委任することはけして恥ずかしい話ではありません。ましてや何か大きなデメリットを抱え込んでしまうものでもないのです。

借金の返済に行き詰まったり、苦しいと思ったりしたときには、まずは当所の無料相談に問い合わせをしてみてください。しっかりと相談をしてゆく中で、ときには保険の乗り換えや車の買い替えなど、ライフプランニングの変更だけで返済が可能となる場合もあります。そのような場合には当所は無理に債務整理を勧めたりはしません。

しかしライフプランの見直しなどを図った上で、それでもやはり返済が難しいという結論に達したのであれば、債務整理を考慮に入れることはけして間違いではないと断言できます。実際、苦しい思いをして普段の業務にアルバイトなどを付け加えても、けして長続きはしません。精神的にも肉体的にすぐにガタがきてしまいます。

債務整理という、実用的かつ効率的な借金問題の解決方法について、まずは先入観なく耳を傾けてみてください。お客さまの人生にキズが残らない再建計画を提示しつつ、奨学金の支払いの引き伸ばしや借金の減債をすることをお約束いたします。

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