債務整理コラム

借金がアナタをダメにする

借金問題は表に出にくいものです。このため、世の中の人がどのような理由で借金をしたのかは一概にはわかりにくい側面があります。2012年8月、『消費者金融利用者の人物像調査』として、NTTデータ経営研究所が消費者金融に対する利用の実態を発表しました。

これによると消費者金融利用者は、

1)生活維持借入タイプ
2)多重借入タイプ
3)一時借入タイプ
4)趣味・娯楽タイプ
5)小額借入タイプ

 の5つに分類することができるそうです。

簡単に説明をすると、最も割合の多い(1)の「生活維持借入タイプ」は全体の割合の36.5%を占めています。彼らは収入が不安定だったり、不況による目減りが原因で借入を行ったりはするものの、同時にきちんと返済をしている人が多く、また持ち家があるようなしっかりとした家庭であることも少なくありません。

(2)の「多重借入タイプ」は全体の21.8%を占めています。彼らは典型的な多重債務者。他の消費者金融への返済のため、借入を繰り返しており、債務整理を行わないことにはそう遠からず破産するハメに陥る可能性もあることでしょう。

(3)の「一時借入タイプ」は30〜40代の既婚女性がメイン。例えば近所のママ友との旅行など、一時的に大きな出費が生じた際、一社の消費者金融から比較的多額の借入を行います。しかし返済も滞りなく行われるのが彼女らの特徴。割合としては全体の19.7%を占めます。

(4)の「趣味・娯楽タイプ」は(3)の「一時借入タイプ」の男性版のようなもの。全体の15.8%を占めるこのタイプは、40代で子どもがいる既婚男性が中心。個人的な趣味や娯楽を理由に多額の借入を行なっているものの、収入・社会的ステータスともに安定しているため、滞納などはありません。

(5)の「小額借入タイプ」は一時的な借金です。年齢層は20〜30代の若手サラリーマンが中心で、例えばちょっと飲み会があったり、法事などの急な出費やお小遣いの補填などが理由で借入を行います。キャッシングを行う理由としては比較的ポピュラーにも見えますが、割合的には最も少なく、6.2%に留まります。

上記の中で最も債務超過に陥りやすいのはやはり(2)の「多重借入タイプ」でしょう。一社からの借金が返済できないということは既に返済額が収入を上回っているか、もしくは浪費が多いにも関わらず、生活水準を落とそうとしていないかのいずれかです。サラ金だって商売で金貸しをしているのですから、他社への返済のためにキャッシングを繰り返している人に貸付などするはずがありません。

そうなると次は「サラ金の返済のため、誰から借金をするか」と言う問題が必然的に浮上してきます。NTTデータの調査では、これに関しては「家族」が5割を超えましたが、これはある意味で当然の結果と言えます。興味深いのは二位に浮上した借入先が「ヤミ金」であることです。

ここで誤解されがちなのが「ヤミ金」に対する認識です。多重債務者にとってヤミ金は『審査が甘く、ブラックでも借入ができる、高利で取立ての厳しい貸金業者』と言うものです。しかし実態は「連絡をするや一方的に小額を振り込んできて、完済を許さず、家族や会社に嫌がらせをすることでスキップ金を半永久的に払わせる犯罪者」なのです。この違いがわかっていないため、ヤミ金問題の被害者は後を絶ちません。

犯罪者であることがわかっているにも関わらず、融資を受けてしまう多重債務者の行為。それを愚かと断じてしまうのは簡単です。しかし例えば「生活維持」のために借入をした人や、ちょっとしたレジャーのために「一時借入」をした人々が、ほんのささいな理由によって借金の返済ができなくなり、あれよあれよと言う間に多重債務に陥ってしまうことは少なくありません。そのときになってこれまで他人事のように「ヤミ金から借入をするなんて」とせせら笑っていた人々が「破産するくらいならヤミ金から借入をした方がまだまし」と言い出す可能性はけして低くはないのです。

借金は未来を前借りする行為です。未来が誰にもわからない分、完済の可否は非常に流動的なものとなります。たとえいかなる理由であっても、借金をしているからにはそれが多重債務になったり、返済できなくなったりする可能性は否定できません。だからこそ返済が厳しいと思ったときにはまず債務整理事務所に無料での相談をすべきです。

専門家が計算して無理なく返済ができたり、完済できたりするようであれば債務整理を勧めません。逆にヤミ金から借入をせざるを得ないような無理のある状態に陥っていれば、当所としても債務整理をお勧めすることでしょう。ヤミ金のような犯罪に手を出してにっちもさっちも行かず、ついには家族がバラバラになったり、勤め先を懲戒解雇されたりするくらいであれば、その前に債務整理事務所から客観的なアドバイスを受けることを心よりおすすめいたします。

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