債務整理コラム

早めの債務整理はこんなに違う

ここに2つのリンゴがあります。片方はみずみずしくハリのある真っ赤に熟したリンゴ。もう片方はしわしわによれて虫食いのある黒ずんだリンゴ。このうちのどちらが欲しいと言われれば、普通の人はまず前者を選ぶことでしょう。

人は「よいもの」を得ようとします。これをインセンティブと言います。難しい横文字のように見えますが、意味は簡単です。要するに人はおいしいものを食べたり、すてきな異性から注目されたり、周囲からちやほやされたりすることを好むと言うことです。誰だって周りからばかにされ、蔑みの目で見られるよりは、尊敬の視線を浴びながら鼻高々に生きた方が「よい」に決まっています。お金はこの「よいもの」を尺度化しやすくするためのツールです。

さて大きな借金を抱えて返済ができなくなった場合、債務整理への着手は早ければ早いほど「よい」と言うのは誰もが直感的に判断できるはず。もしそれに理屈を付けるのであれば、早めの債務整理は金利が少なくなる分、返済の回数も金額も少なくなり、また債務整理後も早めに人生を再建することができると述べることができます。

しかしそれはあくまでも理屈の話。債務整理を早く行えば行うほど良いと言うのは単なる数字の問題だけではなく、その何倍も深い意味があるのです。

借金の返済をしながら豪勢な暮らしをする人はいません。借金をしたお金で豪勢な生活を堪能する人はいるかもしれませんが、借金の返済をしながら豪勢な生活を維持することはできないのです。当たり前のことです。

維持できなければ生活の質は当然下がります。そうなると生活層や取り巻く人々も次第に変わってきます。実はこれがくせもの。例えばそれはこう言うことです。

これまで高級住宅街に住んで周りの人々と笑顔で暮らしていたけれど、それは無理をした借金生活のせいだった。借金がかさんで返済が厳しくなってきたため、どうしても少し生活を落とさねばならなくなった。このため、ごく一般的な収入層の人々が住む住宅街に引っ越した。しかし数ヶ月後、ようやく新しい生活に馴染んできたかなと言う矢先、借金の金利が増えた分、やはり再び返済が厳しくなってきた。このため、ちょっとガラの悪い下町の住宅街に引っ越した。このようにズルズルと借金が増えてゆくことで、気がついたときにはボストンバッグを一つ持ち、風呂トイレ共同のドヤ街のアパートに住まわざるを得なくなった。周囲を見回せば朝からワンカップ焼酎を飲んでくだを巻いているおじさんやら、道端でノミ競馬をしているチンピラばかり。最初はひどいところだと思ったけれど住めば都と言う言葉もある。のんべえのおじさんやらチンピラもどきみたいな連中でも、一度仲良くなってしまうと、彼らとてそう悪い人物ばかりではない。むしろ人情味あふれる人たちと言えるかもしれない。こうして一緒にワンカップ焼酎をあおり、昼間からノミ競馬をしているうちになんだかもう働くのも面倒になってきた。かつての豪勢な生活などもはやどうでもよい。彼らと一緒に楽しい毎日を送れればこれで十分幸せだ・・・。

お金がないことが不幸なわけではありません。しかしお金がある地域ほど犯罪発生率は低く、リテラシーの高い人々が多いのは明らかです。人は環境で変わります。また肉親はもちろん、友人・知人の質や取り巻く情報によって変わります。借金を先延ばしにしてズルズルと環境を落としてゆくことで、もうそこから抜け出ることは難しくなってしまうのです。

逆に大変な借金を負ったとしても早めに債務整理に着手したとしたらどうなるでしょう。周りの人々から借金をしたりせず、迷惑をかけていることについて誠実に頭を下げて対処すれば、あるいは周りの人々の支えによって、現在の生活を維持しながら、人生の再建に着手できるかもしれません。よしんばドヤ街のような場所で生活を始めたとしても、これまで高級住宅街で生活をしていた人ならば、その激変した環境に納得が行かないはず。のんだくれているおじさんやらノミ競馬のチンピラやらには目もくれず、「すぐにここから抜け出てやる!」とばかりに仕事に邁進し、もしかしたら一年を経ずして元の生活に戻れるかもしれないのです。

このようにダラダラと借金生活に身をやつしているのと、すぐに債務整理を行うのとでは金銭問題のみならず、周囲の環境や将来への展望が俄然違ってくるのです。早めに債務整理を行った場合、仮に環境が一時的に悪くなったとしても、自分の精神状態が劣悪な環境に染まっていないため、今まで通りの生活に戻れる可能性が高いのです。

思い切った債務整理は大きな成果を挙げます。なるべく早めに債務整理を行うことを当所は強くおすすめいたします。

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