債務整理コラム

借金の返済をもっと気楽に行う方法1−借金返済をするウイルス−

「借金の返済」と聞けば多くの人は顔をしかめてしまうことでしょう。実際に借金を返済している債務者であればそれはなおさらです。債務者の方が日々額に汗をし、辛い思いをして働いてようやく手にした収入はけして多いわけではありません。さらにその中から、問答無用で高い税金を引かれ、水道光熱費や家賃などの生活費を脇に置き、わずかに残った金額の中から、さらに返済額としてお金を引かれるのです。感情的に嬉しいわけがありません。

しかし、だからと言って「毎月全然手元にお金が残らない。何のために働いているのだろう」などと疑問を持ち出すと、もう労働意欲は根こそぎ喪われてしまいます。最悪の場合、借金を返済する気もなくなって元の木阿弥になってしまう可能性すら否定できません。

そこで今回は「わかってはいるけれど、月々返済するのが辛くてたまらない」と言った方のために、もう少し返済が楽になるためのメソッドをお伝えできればと思います。

●完済までの山登り

インターネット内には借金の返済をしている人たちのコミュニティも存在します。 そこを閲覧してみると、

「毎月○万円を返済して五年間、本日で返済を終えました! みなさんもがんばってください!」
「現在返済中です。後○回で完済です。くじけないでがんばります」
「本日債務整理をしてきました。毎月○万円を○回払いです」

と言ったような書き込みが踊っています。 この書き込みを見ていると借金の返済とは、まるで登山かマラソンの類のような印象を受けます。長く険しい道のりを、お互いに発破をかけながら努力しあう。それはそれでとても麗しく素晴らしいものにも思えます。また完済と同時にこみあげてくる思いはきっと、言葉に尽くしがたい達成感であるに違いないでしょう。

しかしここまで苦労して苦労して、まるで赤穂浪士のように我慢に我慢を重ねてようやく借金の完済までこぎ着けずとも、せめて気分的にはもう少し楽に返済ができないものでしょうか。その方法はきっとあるはずです。

●「楽しい返済」の秘訣

借金の返済が「苦しい」のには理由があります。それは「経済的」理由によるもの。「何を当たり前のことを」と思う方もいるかもしれませんが、毎月爪に火を点すような節約をして借金の返済を続けていけば、1ヶ月2ヶ月ならまだしも、それが半年・一年と続くのであれば当然うんざりしてしまうはずです。そして苦しみの原因はこの「うんざり感」だったり、場合によっては「今月の返済資金をどうしよう」と言う焦りから来る「感情」にあるのです。

パブロフの犬と言う話を聞いた人は多いはず。簡単に説明をすると、これはパブロフと言う学者が、犬にエサをやるたびにベルを鳴らしていたところ、やがてエサを出さなくてもベルを鳴らすだけで犬はよだれを垂らすようになったと言う逸話です。しかしこのパブロフの犬の話は、実は人間にもあてはまります。例えば晴れた青空を臨んで悪い気持ちを抱く人は少ないはず。また日本人であれば、日本晴れの空の下、遠く天涯に富士山を臨んだのであれば、爽快な気持ちに浸れることでしょう。逆に廃墟やお墓、またホラー映画などを見て良い気分になる人はあまり多くないはずです。これはパブロフの犬と同様、ある現象を目の当たりにすることで、条件反射としてそれに付随する感情が湧出しているからなのです。

そう考えると「借金の返済」が憂鬱なのは、条件反射的に湧きだす感情が関係していることに気づいてきます。実際「借金の返済」と言う行動にはネガティブな「感情」が伴うことが多いのは誰の目にも明らかなはず。この感情の中でも最も大きな割合を占めるものは取立屋から受ける「恐怖」でしょう。取立・督促・差し押さえはもちろん、見えない場所では恫喝や脅迫だってあるかもしれません。この他にも返済日が近づいてくる「焦燥感」や生活がままならない「いら立ち」などもあるかもしれません。いずれにせよ、これらはすべてネガティブな感情であると言えます。

では、このネガティブな感情を変えることができるのであれば、もしかしたら「借金の返済」は楽しいものとなるのではないでしょうか。そこまでいかずとも、少なくとも借金の完済に至るまでの辛い思いを少しは軽減できるのではないでしょうか。

●ウイルスだって借金の返済をする?

そう書くと少し突飛すぎるでしょうか。科学的な定義で言うとウイルスは生物ですらありません。しかし自在に動きまわって自己の複製をします。これが借金の返済と何の関係があるのか。実はあるのです。

ウイルスの行動と言うものはたったの二種類しかありません。食事と逃避です。食事と言うと語弊があるかもしれませんが、ウイルスは他の細胞を利用して自己を複製します。逆に抗生物質などの敵対的なものに接触するとウイルスは一目散に逃げ出します。

考える頭もないどころか生物ですらないウイルスですら、危険に触れると逃避します。これこそが「恐怖」の根源的な意味。「恐怖」とは自己の生存を脅かすものを遠ざけようとする本能に根ざしているものなのです。そして借金はこの「恐怖」に近い感情を誘発させます。だから「イヤな気持ち」になるのです。

しかし、ウイルスレベルまで行動や感情をシンプルにすることで、借金の「苦労」や「苦痛」の根本的な原因も次第に見えてきました。では、この原因に対して対策を施す手はないでしょうか。次回はその点について考えてみたいと思います。

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