債務整理コラム

借金取りに情報を与えている?

近年、個人情報の保護が大きくクローズアップされています。見も知らぬ相手に自分の大切な情報を抜き取られたりしなくなったことは犯罪の抑止にもつながる上、プライバシーの重視が浸透してきていることは、国民意識の向上と言う点においても喜ばしいものだと言えるでしょう。

ことにサラ金などからお金を借りている人にとって、自分の個人情報がどのように扱われているかは気になってたまらないはず。 一概に断言はできないものの、一般的にはサラ金にお金を借りに来た人は、まずSTARSやCRINと呼ばれる与信管理サービスにて調査され、問題ないと判断された場合、融資される流れとなっています。前述したそれらはCICやCCBと言うような信用情報機関と連動しており、さらにそのデータをサラ金や銀行などで共有していると言う扱いになっています。ただし、これらは個人情報の保護によって厳密な本人了解が必要となり、万一これを破ると厳しい罰則を被ります。このため、いくらサラ金業者といえど、本人の了解なしに勝手にこれらの与信情報を扱うことはできません。

とは言え、闇金などは元々が法律違反の業者ですから、これらを逸脱する可能性も大いに有り得ます。このため闇金などからお金を借りた後、債務者が債務超過に陥り、よしんば夜逃げを考えたとしても、大変に高い精度で債務者の居場所を突き止め、厳しい取り立てを受けることになるようです。かつ、これらの情報はいかに個人情報保護法にて規制されているといえど、やはりそこは何がしかのつながりがあるようで、例え一度でも債務超過に陥るとその状況は銀行やカード業者などにもすぐに行き渡り、督促の嵐となってしまいます。

一度お金を借りて返せない状況に陥ると様々な業者が督促をしてきます。ことにサラ金業者の督促と言うものは大変に執拗なものです。例えば家財道具一式を抱えてドヤ街などに逃げ果せたところで、彼らとしてはそこは勝手知ったるなんとやら。あっという間に見つかって襟首を捕まれてしまうことでしょう。ましてや実家などに戻ったところで、戸籍謄本を取ってくればそれらは一瞬で判別します。これらの取得も個人情報の保護に関わるものではありますが、債権者として市役所で事情を話し、戸籍謄本を取得すれば一発なのです。市役所の場合、形式的には「本人確認」が必要ではありますが、事実上これらはまだうやむやにされているところがあります。

ところで、さして金額が大きくない借金の場合、債務者としては「この程度の金額でここまで追ってはこないだろう」と言う自負心を持つ人がときおり散見されます。しかしこれは大きな間違い。今の時代、債権者は昔よりももっと手軽に債務者の居所を突き止めます。それは一体なぜでしょうか。

不思議なことに債務整理のご相談をしてこられるお客様のお話をお伺いし、バランスシートを作成すると、携帯電話の金額が極端に高い方が多く見受けられます。また現在ではスマートフォンなども流行しており、同時にインターネットを行っている方も多数にのぼります。さて、問題はこのインターネット。債務者の方の中には例えばTwitterやFacebook、mixiなどのSNSを使用されておられる方は少なくないのではないでしょうか。また自営業などの場合、商売に直結させようとお店の場所や連絡先、最近の状況などをブログやウェブサイトなどに書かれておられるのではないでしょうか。

これらは非常に危険です。インターネットを使っているのは債務者にとって親しい人ばかりではありません。また不特定多数の「誰か」でもありません。サラ金業者も債務者の状況を把握したり、追跡したりするのに使用しているのです。ですので、もし多重債務に陥っている方がSNSなどで本名を用いて自分のことをアピールしている場合、これらはすぐに削除しましょう。「親しい身内だけ閲覧を許可しているから」と思っても、上手の手から水が漏れると言う言葉もある通り、何が起こるかわからないのが世の中なのです。ましてや本名で「今、新宿にいます」などと書いてしまえば、たちどころに借金取りが押し寄せてきます。

もちろん当所といたしましてはこれらは僅かな一時しのぎとしての意見に過ぎません。最終的には債務整理を行わなければ元も子もないと言う見解ではあります。ただし、個人情報が保護されたところで、自分からそれらを漏らす人はまだ世の中には山ほどいると言うことだけはゆめゆめ忘れないように注意しましょう。

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