債務整理コラム

任意整理の裏側

本日は任意整理についてお話いたします。任意整理そのものについては当所のみならず、多くのWebサイトなどで何をするものなのか、またどれだけ減額されるのかなどについては知識を得てらっしゃる方も多いようです。しかし具体的にそこで何が行われているのかをご存知の方はほとんどいらっしゃいません。そのため、任意整理についてご相談をされるお客様の中には、任意整理中、一体その裏側で何が行われているのかご心配される方が多数見受けられます。

任意整理中、当所では債権者と直接交渉を行います。任意整理のみならず、債務整理はそのすべてが人対人の交渉であるため、どの程度減額されるのかについてや、またどの程度まで返済期間を伸ばせるかについてはかなり曖昧です。このため、大手・中小を含めた債務整理のWebではほぼすべてが、例えば任意整理は「2〜3割程度の減額」や「最大8年までの返済期間の延長」と言った言葉で説明されていることが多いのではないでしょうか。

これは債務整理を行う交渉相手が「人」であるためです。先ほど「債務整理は人対人」と記しました。しかしその「人」がくせものなのです。多重債務に陥られたお客様からご相談を受けると、相手は必ずしも大手の信販会社とは限らないのが実情です。お客様が借金をした相手が、あまりたちの良くない街金であったり、場合によっては闇金が相手であることも珍しくありません。そしてそのような者たちにとっては「貸す」ことが商売なのではなく「取り立てる」こと、より正確には「ごねる」ことが商売です。「ごねる」とは、相手を言葉巧みに罠にかけて言質を取り付け、恫喝となだめすかしを繰り返しながら5時間でも10時間でも相手が根負けするまで平然と粘ること。まっとうな社会で生きてきた人にとっては到底まねのできない所業です。

ドラマやまんがなどでご覧になった方も多いことでしょうが、そのような者たちの外見や言葉遣い、態度なども一般の社会からは大きくかけ離れたものです。彼らにごねられた場合、慣れていない普通の方などは即座に震え上がってしまうことでしょう。また彼らは法律についても熟知しています。仮に警察を呼んだところで、刑事上は何も悪いことをしていないため、簡単に手を出すことはできません。そのため、警察が遠巻きに見ている中で何時間でもその場に居座ることとなります。そして債務者にとってみれば、警察ですら手出しできないと言うその事実それ自体が背筋が凍るほど恐ろしく、かつ世間体が悪いものであると言えます。

当所のWebサイトでは「債務整理の専門家」と言う単語をときどき用いますが、上記のような人々を相手にすることが「債務整理の専門家」の仕事です。一概に法律・法務事務所と言ってもそれぞれに得意とする分野があります。例えば同じ法律事務所であったとしても国際法務が得意であったり、登記が専門であったりする業者は、債務整理をご依頼されたお客様をしっかりとサポートすることがあまり得意ではないようです。

当所が債務整理の専門であるように、街金・闇金業者もある意味でその道の専門家です。このような者たちに対して、債務整理にあまり慣れていない弁護士・司法書士事務所が交渉に訪れるとどうなるでしょうか? 相手は一言二言会話を交わしただけで「こいつら素人だな」と即座にその本質を見抜きます。そしてじっくりと時間をかけて弁護士・司法書士が根負けすることを待ちながら、そのいかつい風貌と横柄な態度を巧みに用いつつ、まるでしてやられたかのような態度である程度の妥協案を示してくることが多いのです。結果的に「ここまで譲歩できたのだから」と言うことで弁護士・司法書士は引き上げ、貸金業者たちはにやにやと笑って終了してしまいます。後に残るのは報告を受けて「こんなものか」とがっかりするお客さまだけ。この場合、誰が悪いとは一街には言えませんが、残念なケースであると言えるでしょう。

「債務整理の専門家」とは、先述したような状況を成功に導くための手法に特化した人たちのことです。私たちは別段いかつい風貌でも横柄な言葉遣いを用いたりはしません。ただ「どうすればお客さまが人生の再起を図れるか」を中心に、相手の外見や余計な言葉に一切惑わされない強い精神力とこれまでの経験、特化された法律知識を盾として、必ずお客さまがご納得いただけるだけの減額交渉を行うことができると自信を持って断言できるのです。

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