債務整理コラム

せっかく完済したのに! 借金問題再発の兆しに気づくには

お金の悩みというのは日々の掃除や草むしりのようなものです。毎日拭き掃除をしたり、雑草を引っこ抜いたりしないと、また少しずつ問題が山積してきます。

中でもとくに悩みが大きくなるのは借金の返済に苦しみだしたとき。本来であれば、すぐに債務整理をするのが一番ではありますが、ちょっとお金で困っただけだと「まだ何とかなるのでは」という感覚で手をこまねいてしまう人がほとんどなのではないでしょうか。

借金は手をこまねくと、すぐに金利で増えてゆく恐ろしい面があります。そして一度そのような状況を味わった人は、実は一回完済をしてもときにまた同じ事態を繰り返しやすい面があるのです。

そこで今回は借金問題が再発しやすい兆候についてお話します。

「返済はイヤ。でも借金はしたい」のジレンマ

借金問題の整理を専門にする先駆けの司法書士事務所として、20年余の実績を持つシン・イストワール法律事務所では、違法金融をも含む、あらゆる借金問題の処理をすべて引き受ける事が可能です。

ただ、惜しむらくは一念発起して、シン・イストワール法律事務所に借金問題を相談し、多重債務の問題を解決したのに、また数年すると同じ問題を繰り返してしまう人が一定数存在しているのです。

この最もわかりやすい例は、自己破産後のヤミ金問題。自己破産をした後、知らないメールアドレスから融資のメールが届いたり、自宅にDMが届いたりすることがありますが、これらはすべてヤミ金業者です。

そもそも自己破産というものはこれ以上借金で苦しまないために、当分の間、借金をしないことと引き換えに、これまでの借金をチャラにする債務整理の手法です。しかし、この手続き中であっても、たとえば収入が少ないなど、生活が苦しい状況にあったらどうでしょう。そしてそういうときにふと「ブラック、自己破産でも即日融資」などといったメールが届いたらどうでしょうか。ついうっかりと借金をしてしまう可能性は誰にも否めないのです。

これは気持ちの問題ではなく、環境の問題です。だからこそ、自己破産の手続きを行う場合には最初から「ヤミ金などから届く融資のメールは見ないで一切カットする」と言った事前の心構えが必要になるのです。

そしてもう一つ、借金問題を再発させやすいものが存在しています。それは何かというと「借金」そのものです。

借金は借金を呼ぶ

「類は友を呼ぶ」の言葉通り、借金は借金を呼びます。多重債務で返済ができない人の中で常に一定数の人々は、何とかもっと借金ができないものかと死に物狂いで消費者金融を探しまわっています。

これは債務整理においても実は同じです。任意整理は債務者の都合で整理する債務を選ぶことができます。ただ、その場合でもどういう動機で任意整理を行うかが、実は債務者の未来を再建できるかどうかの大きな分かれ目になっています。

たとえばAさんの場合「サラ金会社は任意整理をしよう。でも、子どもの教育ローンを整理するわけにはいかないな」というのであれば、それは今後の人生設計を見据えた上での債務整理ですから、生活の再建もスムーズに進展するはずです。

しかしBさんの場合「金を借りたAさんは取立がきついからなあ。こっちは債務整理しようか。でもサラ金会社のB社はそんなに取立も厳しくないし、審査もゆるい。こっちは残しておきたいところだ」というような場合は要注意。

頭のどこかに次の借金が視野に入っている。そういう動機で債務整理を行えば、たとえサラ金が融資をしてくれなくても、やはりいつの間にか別のかたちで借金まみれになってしまう可能性は十二分にあるのです。

これは必ずしも手元に借金があるかどうかではありません。債務整理をする際、借金をしたい欲が自分の胸の内にあるかどうか、できれば自問してみてください。債務整理の本懐は、借金をなくすことで幸せな人生をスムーズに実現することにあります。このような目的の中に、さらなる借金への欲求は一切不要。もう二度と借金をしない生活を目指してより良い生活の再建へと踏み出していただければと存じます。

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