債務整理コラム

危険!自己破産時に財産隠しをするとどうなってしまうのか

自己破産は借金がどうしても返せない状況に陥った時に、すべての借金を帳消しにすることができる民事上の手続きです。自己破産をすればすぐにでも借金の悩みから解放され、以降は借金問題に苦しまなくても済むようになります。しかし自己破産は、あくまで借金をどうすることもできなくなった時の最後の手段です。リスクやデメリットも当然ありますし、また財産隠しが発覚した時のペナルティも大きいため、慎重な判断が要求されます。

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自己破産がもたらす意味

もし借金問題に苦しんでおり、返済の見込みもなく、どうすることもできないというのであれば、自己破産の手続きを踏んで借金をなしにするという方法を考えましょう。

財産が少しも残っておらず、借金を返済する能力を全く欠いているという場合に限り、裁判所に破産申立書を提出して免責許可を得ることができれば、すべての借金をただちに解消することができます。自己破産は他のあらゆる債務整理の中でも最も手っ取り早く借金問題を解決できる手続きであり、また有効な手段でもあります。複雑な書類を作成しなければならないという面倒もありますが、信頼できる法律事務所に相談すれば、弁護士や司法書士が書類作成をサポートしてくれるので、難しい手続きに悩む必要もありません。

しかしながら、そう安易に選ぶことのできるお手軽な手続きではないということは肝に銘じておかなければなりません。自己破産をすると当座の借金をすぐに解消することはできますが、その後の生活においてさまざまな制約が生じてしまうのです。たとえば、自己破産後は向こう10年にわたってブラックリストに記載されてしまうため、新たにクレジットカードを発行できなくなったり、ローンを組んだりお金を借りたりすることができなくなります。すべての生活を自己資金のみでやりくりせねばならず、それまでの生活を借金でまかなっていたという人にとっては、生活が苦しくなってしまうことは容易に想像できるでしょう。破産後にはこうした制約が発生するため、たとえ自己破産しか手段がないという場合であっても、さまざまな事情をよく考えて慎重に事を進めていく必要があります。

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財産隠しはできるのか

自己破産というのは、すべての負債や債務を免責するというほとんど免罪符のような手続きです。そのためたとえ自己破産がしたくても、誰もが簡単にできるという手続きではありません。一般的に自己破産を申請すると、申請した者の財産はほとんどすべて差し押さえられることになります。このとき、どうしても差し押さえられたくない財産を隠そうとするのが、いわゆる財産隠しという行為です。

財産の差し押さえは、破産申請の際に提出した財産リストに基づいて執行されますが、敢えて財産リストに申告しなかったり、申告していても財産を隠匿したりすれば、それらは財産隠しだと判断されます。財産の差し押さえがこのようなやり方で行われるため、財産リストに申告さえしなければ簡単に財産隠しができるのではと思われがちですが、決してそんなことはありません。

確かに財産の差し押さえはリストに則って行われますが、それ以外にも過去2年間のお金の流れを給与明細や預金通帳などで追われるため、不審な財産隠しがあればすぐに差し押さえられてしまいます。隠そうと思っても、財産は書類や郵便物などからすぐに割り出されてしまうものです。悪質な財産隠しが発覚すれば、大きなペナルティを被ることにもなるので、たとえ差し押さえられたくない財産があったとしても、くれぐれも財産隠しをしないように注意しておきましょう。

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和財産隠しの危険度

自己破産の申請の途中で、もし悪質な財産隠しが発覚した場合、免責許可を受けることができないということにもなりかねません。

自己破産における財産隠しは、別の言い方をすれば借金を踏み倒すということと同じです。そして自己破産が免責不許可になれば、借金はそのまま全額残ることになり、再び借金問題に苦しむことにもなってしまいます。たとえ申請中に運よくバレなかったとしても、免責決定が下された後に財産隠しが発覚した場合、免責決定が取り消されるのはもちろんのこと、悪くすれば破産詐欺罪という罪に問われてしまうこともあります。つまり財産隠しは立派な犯罪行為であるということです。自己破産をする場合は、財産隠しをするよりも自由財産の拡張を目指した方がよほど利益になるとも言えます。

債務整理に強みのある法律事務所であれば、こうした自由拡張によって保持できる財産をしっかりと確保することにもつながります。ノウハウをしっかり蓄積している法律事務所に相談すれば、たとえ自己破産という一大事であっても、安心して手続きを踏むことができるでしょう。

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